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大田区｜不燃化特区・木造住宅の耐震（除却）・危険ブロック塀助成を使い倒す実務ガイド
最終確認日：
大田区｜解体・ブロック塀撤去・木造耐震・アスベスト・建設リサイクル法の完全ガイド
最初に押さえる3つの原則（結論）
- 制度適合の一次判定：老朽建築物の除却、ブロック塀撤去、木造耐震（診断/改修/建替）、アスベスト、建設リサイクル法の該当有無を最初に整理。
- 交付決定前の契約・着工はNG：原則は申請→交付決定→契約→着工→完了報告。順番違いは不支給の典型原因。
- 相見積は「同一仕様」で：本体・付帯（塀/基礎/残置/地中障害）・仮設/養生・運搬/処分・石綿・近隣対策を分離。写真と数量根拠を添付して比較可能性を担保。
まずは現況棚卸し（所在地、構造・築年、延床/階数、前面道路幅員、塀高/延長、電気/ガス/水道/通信の引込、相続/共有、石綿予測）から。迷ったら 無料相談 をどうぞ。
大田区の主な制度（カード＋比較表）
不燃化特区：老朽建築物除却助成（区域限定）
- 対象：不燃化特区内の老朽木造建築物の除却（対象区域：大森中地区〈西糀谷・東蒲田・大森中〉／羽田二・三・六丁目地区 ほか）。
- 助成額：最大100万円（羽田2・3・6丁目の無接道建築物除却は最大150万円）。
- 注意：詳細な対象要件・区域は公式要綱で要確認。交付決定前の契約・着工は原則対象外。
- 一次情報：不燃化特区制度（老朽建築物除却助成）
ブロック塀等改修工事助成（撤去＋フェンス設置）
- 対象：通学路または特定緊急輸送道路沿いの危険なブロック塀・万年塀等。
- 助成額（撤去）：費用の2/3、上限16万円／または1.6万円/ｍ。
- 助成額（新設）：フェンス等の設置も2/3、上限16万円／または1.6万円/ｍ。
- 注意：助成対象工事は区内中小企業の施工に限る。助成期限は令和10年3月末まで（現行要綱）。
- 一次情報：ブロック塀等を改修し、フェンス等にしたい方／制度概要
木造住宅の耐震：診断・改修・除却の助成
- 診断：区登録の「大田区木造住宅耐震診断士」による精密診断の費用を一部助成（申請〜交付決定後の契約が原則）。
- 改修・除却：要件に応じて工事費の一部助成。締切・枠は年度により変動。
- 注意：新耐震・旧耐震の扱い、申請締切日は年度告知を確認。
- 一次情報：木造住宅の耐震診断・改修・除却の費用助成／申請締切の案内
アスベスト（石綿）：事前調査・電子報告・届出
- 事前調査：規模・金額に関わらずすべての解体・改修等工事で義務（有資格者による）。
- 電子報告：国の「石綿事前調査結果報告システム」で報告（対象規模あり）。
- 届出：レベル1・2作業は着工14日前までに届出。規模により区/都へ提出。
- 一次情報：大田区：アスベスト除去等に係る手続き／アスベスト総合案内
建設リサイクル法（分別解体・届出）
- 対象：建築物の解体は80㎡以上、新築・増築500㎡以上、大規模修繕請負1億円以上など。
- 届出者：発注者（建築主）が着工7日前までに区長宛て届出（代理は委任状）。
- 備考：敷地内10,000㎡超は都が窓口。受理窓口一覧は都サイト参照。
- 一次情報：大田区：建設リサイクル法（届出）／東京都：受理窓口一覧
| 制度名 | 対象・要件（要点） | 助成内容/上限（要点） | 手続・順番 | 一次情報 |
|---|---|---|---|---|
| 不燃化特区 老朽建築物除却 | 特区内の老朽木造、区域要件あり | 最大100万円（無接道は150万円） | 申請→交付決定→契約→着工→完了報告 | 大田区 |
| ブロック塀等改修（撤去/新設） | 通学路・特定緊急輸送道路沿い | 各2/3、上限16万円／1.6万円/ｍ | 交付決定前契約NG／区内中小企業施工 | 大田区 |
| 木造住宅の耐震（診断・改修・除却） | 区登録診断士による精密診断→各助成 | 診断費の一部助成／工事費の一部助成 | 交付決定後契約／年度締切を確認 | 大田区 |
| アスベスト（石綿） | 全現場で事前調査、有資格者 | — | 電子報告＋（該当）14日前届出 | 大田区 |
| 建設リサイクル法 | 解体80㎡以上 ほか | — | 発注者が着工7日前に届出 | 大田区 |
申請〜交付〜完了の実務フロー
- 現況整理：所在地、構造・築年、延床/階数、前面道路幅員、塀高さ/延長、ライフライン引込、隣地/通学路/病院等の近接状況、相続/共有、石綿予測。
- 制度当て込み：不燃化特区／ブロック塀／木造耐震（診断→改修/除却）／アスベスト／建リ法。併用可否と時系列を確定。
- 見積仕様の統一：解体本体、付帯（塀・外構・残置物・地中障害・井戸・浄化槽）、仮設/養生、運搬/処分、石綿（調査→電子報告→除去→処分）、近隣対策を分離記載。
- 交付申請：写真・図面・工程表・資格証・見積内訳を添付。交付決定前契約NGを徹底。
- 交付決定→契約→着工：決定通知後に契約。作業時間帯・散水・粉じん/騒音/振動計測・現場掲示・苦情対応フローを工程表に明記。
- 完了報告・精算：前中後写真、領収書、産廃マニフェスト、契約関連写し→額確定→請求。
- 解体後：滅失登記、固定資産税の取扱い確認、次用途（建替/売却/暫定活用）。
見積と費用設計：内訳・相場・落とし穴
大田区は住宅地と工業・空港関連エリアが混在し、道路幅員や交通量に応じて仮設・安全費や運搬/処分費が変動しやすい地域性です。相見積は「数量根拠の写真」を前提に、次の観点で比較してください。
- 付帯の線引き：塀・基礎・庭木・門扉・物置・残置物・看板・地中障害（旧基礎/ガラ/井戸/浄化槽）。
- 仮設/養生：足場、仮囲い、防音/防塵シート、散水量、誘導員配置、計測頻度。
- 分別・処分：木/金属/コンクリ/石膏ボード等を分別。処分場/積替えの有無と単価根拠を明示。
- 石綿：調査レベル、隔離/陰圧、除去工法、処分を工程化し、責任分担と費用内訳を明確化。
- 追加費用の扱い：地中障害の発見時単価、臨時の交通誘導、夜間/休日の作業制限など契約書で先に定義。
落とし穴：「一式」見積／交付決定前契約／工程表なし／石綿費別精算／写真の不足。契約書に承認プロセス（変更管理）を条項化しておくと、請負/発注双方のリスクを抑えられます。
アスベスト：調査・電子報告・届出・掲示
- 事前調査は全現場で義務（吹付/成形/仕上げ材の有無を確認）。結果はA3以上で現場掲示、記録の作成・保存・備置。
- 電子報告：解体80㎡以上／改修・工作物100万円以上など、国のシステムで事前調査結果を報告。
- 届出：レベル1・2作業は着工14日前まで。規模により区/都の所管が分岐。
- 工程：調査→掲示→電子報告→（該当）届出→隔離/陰圧→除去→最終処分→記録保管。
建設リサイクル法：対象・届出書類・期限
- 対象工事：延床80㎡超の建物解体など「特定建設資材」を使う工事は届出必須。
- 提出期限：工事着手7日前まで（差戻しに備え前倒し提出）。
- 添付書類：届出書、案内図、配置・平面・立面等の図面、工程表、契約書写し、委任状、写真（正副）。
- 運用：分別解体計画と搬出ルートを工程表・見積に反映。未届は行政指導や再工事のリスク。
近隣配慮・道路/安全・トラブル未然防止
- 着工前挨拶：工期・作業時間・連絡先・車両導線・粉じん/騒音対策を記した案内を配布。学校・病院・商店街・工場は時間帯調整を明記。
- 掲示・計測：石綿掲示、工程掲示、騒音/振動/粉じんの定期計測と記録化。週報・日報で可視化するとクレーム抑止。
- 安全計画：仮囲い高さ、転倒防止、見通し確保。交差点近くや幹線沿いは誘導員を強化。
- 初動対応：苦情→原因特定→是正→再発防止までを運用フローとして契約書に落とし込み。
ケース別の工程設計（狭小地/通学路/角地/共同住宅）
狭小地（道路幅2.7m・近接建物）
小型重機＋手壊し併用。足場・防音/防塵シートを厚め、散水頻度増。搬出は小運搬、誘導員は時間限定配置。費用は仮設・運搬比重が高くなるため、数量根拠写真で透明性を担保。
通学路沿い（登下校ピーク重複）
登下校時間は重機停止、作業を前倒しシフトへ。舗装清掃・散水強化、掲示物を視認性の高い位置に。学校と連絡体制を取り、週次の工程共有を実施。
角地・交差点至近（見通し確保）
交差点側は透明養生や見通し孔を設計。右左折制限・積込位置・待機場所を図面化し、計測/誘導で事故を抑止。
共同住宅（区分所有・テナント混在）
委任状・議事録・税完納証明の収集を前倒し。掲示・計測・連絡窓口を明確化し、不在世帯へは掲示＋ポスティングで周知。
提出書類チェックリスト（用途別）
- 共通：申請書、誓約/同意書、委任状、登記事項証明、税完納証明、位置図、配置図、現況写真。
- 見積・契約：見積内訳、工程表、契約書案/契約書、施工体制（資格/登録の写し）。
- 木造耐震：診断報告書、評点、補強設計図、施工計画。
- ブロック塀：高さ/延長の根拠写真、通学路・道路の位置関係図、完了写真。
- アスベスト：事前調査記録、電子報告控、（該当）14日前届出控、掲示様式、作業計画、処分証。
- 完了：前中後写真、領収書、産廃マニフェスト、契約関連写し。
よくある質問（大田区）
交付決定前に契約してしまったら？
原則対象外です。不燃化特区や木造耐震・ブロック塀等でも交付決定→契約→着工の順序が原則。直ちに担当課へ相談を。
ブロック塀の助成は誰が申請できますか？
所有者等が対象。対象位置（通学路・特定緊急輸送道路沿い）と、施工者が区内中小企業であることが条件です。
木造耐震の締切はいつですか？
年度ごとに締切が告知されます。例：令和7年度の各助成は個別に締切日設定あり。最新の区公式告知を確認してください。
建設リサイクル法の届出者は誰？
発注者（建築主）です。着工7日前までに届出が必要で、代理提出時は委任状が必要です。
一次情報リンク一覧（公式）
- 不燃化特区（老朽建築物除却助成） … 大田区
- ブロック塀等改修（撤去・フェンス） … 大田区 ／ 制度概要
- 木造住宅の耐震（診断・改修・除却） … 大田区 ／ 締切案内
- アスベスト（手続き・総合案内） … 手続き ／ 総合
- 建設リサイクル法（届出） … 大田区 ／ 東京都（受理窓口一覧）
※助成額・対象・受付状況は年度や区域、要綱改定で変更される場合があります。申請直前に必ず最新の一次情報（大田区公式・東京都公式）をご確認ください。
