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解体現場の不法就労問題が深刻化|国交省が8.5万社の全国調査に乗り出す背景と施主が知るべきリスク

解体現場における不法就労の実態
解体工事の現場で、不法滞在や就労資格のない外国人を働かせる不法就労助長の問題が深刻化しています。2025年から2026年にかけて、全国各地で解体業者の摘発事例が相次いで報道されました。
埼玉県川口市では、クルド人の代表取締役と従業員3名が不法就労助長の疑いで逮捕されました。この解体会社には確認された従業員30名のうち25名がクルド人国籍で、13名が「特定活動」の在留資格、6名が仮放免中であったとされています。山梨県でも、不法滞在のタイ人や就労資格のない中国人を解体作業員として働かせたとして、解体業の社長が逮捕される事案が発生しています。
なぜ解体業界で不法就労が広がるのか
解体工事業界で不法就労が広がる背景には、深刻な人手不足があります。建設業全体で若手入職者が減少する中、解体工事は体力的な負担が大きく、粉塵や騒音にさらされる環境であるため、特に人材確保が困難な業種です。
こうした状況の中で、一部の悪質な業者が不法に安い労働力として外国人を雇用するケースが後を絶ちません。不法就労の外国人は労働法の保護を受けにくく、低賃金・長時間労働を強いられるケースも指摘されています。これは人権問題であると同時に、安全管理や施工品質にも関わる深刻な問題です。
国交省が8.5万社の全国調査を実施へ
こうした問題を受けて、国土交通省は2026年度に全国約8万5,000の解体工事業者を対象とした大規模な実態調査に乗り出すことを発表しました。調査の目的は、不適正な施工実態や不法就労の実態を把握し、適切な指導・監督体制を構築することです。
この全国調査は、解体工事業界の健全化に向けた大きな一歩といえます。調査結果に基づいて、行政指導の強化や罰則の厳格化が進められる見通しであり、不法就労を行う悪質業者の排除が期待されています。
2025年6月の入管法改正で罰則が大幅強化
2025年6月に施行された入管法改正では、不法就労助長罪の罰則が大幅に強化されました。従来は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」だった罰則が、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に引き上げられています。この罰則強化は、解体業界を含む不法就労の横行に対する国の強い姿勢を示すものです。
不法就労助長罪は、外国人を直接雇用する事業者だけでなく、業務を委託する発注者にも適用される可能性があります。つまり、不法就労者が働いている解体業者に工事を発注した施主やゼネコンにも、法的リスクが及ぶ可能性があるのです。
施主が知っておくべきリスクと対策
不法就労の問題は、施主にとっても無視できないリスクです。不法就労者が関与した工事は安全管理が不十分である可能性が高く、事故のリスクが増大します。また、不適正な施工による近隣トラブルや、産業廃棄物の不法投棄など、さまざまな問題につながるおそれがあります。
施主が取るべき対策としては、まず建設業許可や解体工事業登録を確認することが基本です。適切な許認可を持つ業者は、一定の管理体制が担保されています。次に、極端に安い見積もりには注意が必要です。不法就労による人件費カットで実現している低価格は、安全性やコンプライアンスの犠牲の上に成り立っています。
さらに、信頼できる比較サイトを通じて業者を選ぶことも有効です。審査済みの業者のみが登録されているプラットフォームを利用すれば、悪質業者に当たるリスクを大幅に低減できます。
業界の健全化に向けた今後の動き
国交省の全国調査を皮切りに、解体工事業界の健全化に向けた動きは今後さらに加速すると予想されます。業界団体による自主規制の強化、元請け企業による下請け管理の厳格化、ICTを活用した施工管理の透明化など、多方面からのアプローチが進められるでしょう。
まとめ|適正な業者選びがリスク回避の第一歩
解体現場の不法就労問題は、業界全体の信頼性に関わる重大な課題です。施主としては、適正な許認可を持ち、コンプライアンス体制が整った業者を選ぶことが、自身のリスクを回避する最も確実な方法です。
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