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千葉市で空き家を解体すると固定資産税が1年分減免されます|2026年8月開始の新制度
千葉市は2026年(令和8年)8月1日から、1年以上空き家だった住宅を解体した土地の固定資産税・都市計画税の増加分を、1年度分まるごと減免する制度を始めました。申請の受付は2026年8月3日から始まっています。
これまで解体をためらう最大の理由のひとつが「更地にすると土地の税金が上がる」ことでした。千葉市の案内には「市内の平均では土地の税額が概ね3倍に増えます」と書かれています。その増える分を、解体した翌年度の1年だけ市が肩代わりする、という制度です。
制度の中身
| 正式名称 | 千葉市空家を除却した土地に係る固定資産税等の減免に関する条例(令和8年千葉市条例第39号) |
|---|---|
| 施行日 | 2026年(令和8年)8月1日 |
| 申請受付開始 | 2026年8月3日(月) |
| 減免される内容 | 空き家を解体したことにより住宅用地特例の解除または適用に変更が生じた土地の、固定資産税等の増加相当額 |
| 減免期間 | 1年度分(空き家を解体した翌年に課税される分) |
| 対象税目 | 固定資産税および都市計画税 |
| 適用期間 | 2026年8月1日から2031年(令和13年)1月1日までに解体したもの |
| 申請期限 | 空き家を解体した翌年の4月末日(第1期の納期限)まで |
| 担当課 | 都市局 都市部 都市安全課 043-245-5896 |
ポイントは「増加相当額」という考え方です。解体後の実際の税額から、その土地にまだ空き家が建っているものとみなして計算した税額を差し引いた差額が減免されます。つまり解体しなかった場合と同じ税額まで戻る、という設計です。
なお千葉市は、この制度の減免額の試算は公表していません。案内チラシにも「減免額の試算はしておりません」と明記されています。ご自宅の土地でいくら戻るかは、納税通知書を手元に置いて都市安全課または市税事務所に確認するのが確実です。
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なぜ「概ね3倍」になるのか
住宅が建っている土地には住宅用地の特例があり、課税標準額が大きく下がっています。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分) | 価格の6分の1 | 価格の3分の1 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 価格の3分の1 | 価格の3分の2 |
建物を解体して更地にすると、この特例が外れます。計算上の倍率は6倍ですが、実際には負担調整の仕組みがあるため単純に6倍にはならず、千葉市は市内の平均で概ね3倍と説明しています。
解体費が100万円台で済んでも、土地の税金が毎年数万円ずつ増え続けるなら、長い目で見た負担は小さくありません。今回の減免はその増加分の1年目だけを免除するものなので、2年目以降は上がった税額を払うことになります。ここは誤解しないようにしてください。
対象になる空き家の条件
条例上の「空家」は、空家等対策の推進に関する特別措置法に定める空家等に該当する建築物のうち、住居として使われていた家屋で、人の居住その他の使用がなされていない状態が1年以上続いているものです。
1年以上空き家であることの確認方法について、市は「電気・水道・ガスの使用実績(閉栓日)や、住民票の異動状況などで確認します」としています。
申請時の添付書類として案内されているのは次のようなものです。
| 目的 | 書類の例 |
|---|---|
| 解体した日を証明する | 解体証明書(建物解体完了証明書)、建物の閉鎖事項証明書 |
| 1年以上空き家だったことを証明する | 住民票の除票、電気・ガス・水道の閉栓証明書 |
| 施設入所により空き家になった場合 | 施設入所を証する書類(入所時の契約書など) |
| 任意 | 減免対象の土地の直近の納税通知書の写し |
これらの書類が用意できない場合は都市安全課に相談するよう案内されています。申請者と提出者が異なる場合は委任状が必要です。
対象外になる7つのケース
ここが一番つまずきやすいところです。条例では次のいずれかに当てはまると減免されません。
- 土地の所有者が法人、または法人を含む共有である場合
- 解体後の土地を営利目的で使用している場合(市の案内では貸駐車場などが例示されています)
- 解体時の所有者と、翌年1月1日時点の所有者が異なる場合(相続・遺贈による取得は除く)
- 解体した空き家が、特別措置法による勧告を受けた管理不全空家等または特定空家等であった場合
- 解体した空き家が認定長期優良住宅であった場合
- 2026年8月1日より前に解体した場合
- そのほか市長が減免することが適当でないと認めた場合
実務でいちばん影響が大きいのは3番です。解体してすぐに土地を売ると、翌年1月1日時点の所有者が変わってしまうため減免を受けられません。相続で取得した場合だけが例外です。売却を前提に解体するなら、売買の時期と減免のどちらを取るかを先に決めておく必要があります。
4番も見落としやすい点です。すでに市から勧告を受けている空き家は、解体しなくても住宅用地特例が外れているため、この減免の対象から外されています。勧告を受ける前に動くかどうかで結果が変わります。
2番の「営利目的」は、解体後に貸駐車場にするようなケースが想定されています。更地のまま置いておく、自家用の駐車場にする、といった使い方は問題になりません。
申請の流れと、混同しやすい2つの期限
期限が2種類あるので分けて覚えてください。
| 何の期限か | 期日 |
|---|---|
| 減免申請そのものの期限 | 空き家を解体した翌年の4月末日(第1期の納期限)まで |
| 解体前に申請した場合の、解体日を証明する書類の提出期限 | 解体した年の翌年1月31日まで(解体日が1月1日の場合はその年の1月31日まで) |
さらに条例には、減免は申請した日以後に納期限が到来する納期分が限度という規定があります。つまり申請が遅れるほど、減免を受けられる納期が減ります。第1期の納付書は減免前の金額で届き、第2期以降が減免後の金額になる、というのが市の説明する流れです。
提出方法
| 様式 | 減免申請書(様式第1号)/取り下げる場合は取下届(様式第3号) |
|---|---|
| 記載事項 | 申請者の氏名・住所・連絡先、土地の地番と所有者名、納税義務者名、解体した日または解体予定日 |
| 提出先 | 千葉市 都市局 都市部 都市安全課 |
| 提出方法 | 窓口持参・郵送・電子メール(anzen.URU@city.chiba.lg.jp) |
あわせて、住宅を取り壊した場合は固定資産税住宅用地申告書の提出も必要とされています。減免申請とは別の手続きなので、忘れないようにしてください。土地の課税に関する問い合わせ先は、中央区・若葉区・緑区が東部市税事務所 資産税課 043-233-8143、花見川区・稲毛区・美浜区が西部市税事務所 資産税課 043-270-3143です。
解体する前に申請できます
この制度でいちばん実用的なのは、解体前でも申請できる点です。解体日を証明する書類だけは後から出せばよい仕組みになっています。
つまり解体を決めた時点で都市安全課に申請してしまえるということです。工事が終わってから手続きを思い出して期限を逃す、という失敗を防げます。解体業者に見積もりを依頼する段階で、あわせて申請の準備をしておくのがいちばん確実です。
市は「政令市初」と説明しています
千葉市は2026年7月14日の記者発表で、この条例をこう紹介しています。
政令市初!「壊すと税金が上がる」を解消!
背景として市が挙げているのは、少子高齢化の進行で空き家の増加が懸念されるなかで、更地にすると住宅用地特例が外れて税負担が増えることが、空き家を放置させる一因になっているという問題です。条例の目的も「空家の除却を促進し、市民の安全かつ安心な居住環境の形成を図ること」とされています。
千葉市以外にも同種の制度があります
「政令市初」という表現のとおり、政令指定都市では千葉市が最初とされていますが、同じ考え方の制度は他の自治体にもすでにあります。千葉県内では八千代市が該当します。
| 自治体 | 減免の内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 千葉市 | 住宅用地特例の解除・変更による増加相当額 | 1年度分 |
| 八千代市 | 住宅用地特例が適用された場合と同様に固定資産税等を減免 | 2年度分(特例が適用されなくなった年度を含む) |
八千代市は減免期間が2年度分と長い一方、昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震基準の空家住宅であることや、納税義務者に市税の滞納がないことが条件になっています。千葉市の制度には築年の要件も市税滞納の要件もないため、対象の広さでは千葉市、期間の長さでは八千代市という関係です。
このほか坂出市(香川県)、三条市(新潟県)、宮古市(岩手県)などにも同種の制度があります。お住まいの自治体に似た制度があるかは、市区町村の資産税課で確認してみてください。
千葉市の解体費補助との関係
千葉市には解体費そのものを補助する住宅の除却費補助制度(工事費の23%・上限20万円、密集住宅市街地は30万円)もありますが、こちらは耐震診断で倒壊の危険性が高いと判定されることが前提で、2026年度の受付はすでに終了しています。
一方、今回の固定資産税の減免は耐震診断が不要で、2026年8月3日から受付中です。解体費補助が使えなかった方でも、こちらは使える可能性があります。千葉市の解体で使える制度の全体像は、千葉市の解体費補助と固定資産税の減免をまとめた記事で整理しています。
また、相続した空き家を解体して土地を売る場合は、譲渡所得の3,000万円特別控除のほうが金額のインパクトが大きくなります。ただし前述のとおり、解体後すぐに売却すると今回の減免は受けられません。どちらを取るかは早めに試算しておいてください。
よくある質問
いくら戻ってきますか。
土地の評価額によって変わります。千葉市は減免額の試算を公表していません(案内チラシに「減免額の試算はしておりません」と明記)。ただし解体によって土地の税額は市内平均で概ね3倍に増えるとされているため、その増えた分が1年度分戻る計算になります。納税通知書を手元に、都市安全課(043-245-5896)または市税事務所にご確認ください。
何年分減免されますか。
1年度分だけです。解体した年の翌年に課税される分が対象で、2年目以降は上がった税額を納めることになります。
解体してから売る予定ですが使えますか。
解体時の所有者と翌年1月1日時点の所有者が異なる場合は対象外です(相続・遺贈による取得のみ例外)。年内に解体して年内に売却すると受けられません。
法人名義の土地は対象になりますか。
対象外です。市の案内では「法人または法人を含む共有」が除外されています。
解体前に申請してもいいのですか。
できます。解体日を証明する書類は後から提出でき、その提出期限は解体した年の翌年1月31日までです。解体を決めた時点で申請しておくのが確実です。
2026年7月に解体しました。対象になりますか。
なりません。条例の施行日である2026年8月1日以後に空き家をすべて解体した土地が対象です。
いつまでの解体が対象ですか。
2031年(令和13年)1月1日までに解体したものが対象です。時限的な制度なので、解体を検討しているなら早めに動くほうが確実です。
解体の見積もりは先に取っておいてください
この減免は解体費そのものを安くする制度ではありません。解体費を下げる手段は相見積もりです。同じ建物でも業者によって見積額は数十万円変わり、その差は今回の減免額より大きくなることが普通です。
千葉市の解体費用の目安は、木造住宅で坪単価3.5万円〜6万円、30坪で105万円〜180万円前後です。鉄骨造は坪単価4.5万円〜7.5万円、RC造は坪単価5.5万円〜10万円程度。市域が広く、稲毛・幕張の住宅密集地と緑区・若葉区の郊外では搬入条件が大きく変わるため、坪単価の相場だけで判断せず現地を見た見積もりを取ってください。
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最終確認日と出典
最終確認日:2026年9月17日/出典は千葉市および八千代市の公式ページです。
- 千葉市|空き家の除却に係る固定資産税等の減免制度のご案内
- 千葉市|条例本文(PDF)
- 千葉市|施行規則(PDF)
- 千葉市|制度案内チラシ(PDF)
- 千葉市|記者発表資料(PDF・2026年7月14日)
- 千葉市|住宅用地とその特例について
- 八千代市|老朽化した空家等を除却した土地の固定資産税等を減免します
制度の内容・受付状況は変わることがあります。申請前に必ず担当課へご確認ください。


